これからの社会に必要なみどりの在り方を問い直し、実践を通じて地域課題の改善と、持続可能な豊かさの共創を目指す、みどりのデザインムーブメント「SOCIAL GREEN DESIGN」。この共創プラットフォームでは、これまでオンラインセミナーやみどりのビジネスとデザインを学ぶSGDスクールなど、みどりと社会の関係について探る活動が行われてきた。
「みどりは“ただある”だけではダメな時代」。複雑化する社会問題や環境問題の中で、みどりを取り巻く環境やニーズは大きく変わりつつある。そんな中、立ち上げから4年を迎え発行された本書は、変化するみどりづくりのこれからや、社会に役立つみどりの在り方とは何なのか、6つの切り口からその輪郭を捉える。テーマは、「創造的メンテナンス」「コミュニティ」「生物多様性」「経済」「マテリアル」「制度とルール」。植物とまちと人の関係を育む「シモキタ園藝部」、植物園の新たな表情を生んだ「小石川植物祭」、生物多様性を楽しみながら調査できるいきものコレクションアプリ「Biome」など、あらゆる活動が紹介される。どのプロジェクトも、新たな視点でみどりを捉え直し、社会の中で滞っていた関係を編み直し、豊かな風景を築き上げている様子を伝える。
ポップなデザインが目を引く本書。手に取った読者は、みどりとどんなつながりを描くだろうか。SOCIAL GREEN DESIGNは、個々の多様なアイデアを歓迎し、共に創造する仲間を募集している。新しい仲間と出会い、みどりづくりに軽やかに一歩、動いてみたくなる一冊である。
SOCIAL GREEN DESIGN MAGAZINE石川由佳子=企画・編集
発行/ソーシャルグリーンデザイン協会
定価/2,200円(税込)