クレームに発展させない エクステリア工事への道筋『クレーム事象から学ぶ「エクステリア工事」設計・施工のポイント Part1』

日本エクステリア学会が、施工後にクレームにつながりがちな具体的な事例を集め、その原因と対策、クレームが起きてしまった時の改善・解決案をまとめたのが本書だ。クレームを未然に防ぐことが難しいと言われるエクステリアだが、使用材料を理解して計画し、発生した事象に対して速やかに対応することで「クレームのないエクステリア工事は実現できる」。その強い思いが込められている。

本書は4章に分かれており、1章ではエクステリア工事でよく用いられる素材(コンクリート、アスファルト、石材、ウッドデッキ、植栽、他)の基礎知識と、計画・施工における留意事項について細かく解説がなされている。寸法や強度、種類や性能についてはもちろん、建築基準法をはじめとした品質規格の数値等も多数掲載されており、日常の手引として活用できそうだ。

2章からは、1章で登場した素材について具体的なクレーム事例が掲載されており、現場で困っている事象から逆引きして、解決策を参照できる構成だ。例えば起こりがちな「白華」という事象1つに対し、ブロック造、煉瓦造、タイル仕上げ、インターロッキングブロック造、コンクリート造、自然石仕上げと、それぞれの素材での発生事象写真が複数掲載され、事象の分析と対策、参考知識も引用されている。

本書は今後更にクレーム事象例を集め、第2弾の出版も計画しているとのこと。
【庭NIWA 239号掲載】

クレーム事象から学ぶ「エクステリア工事」設計・施工のポイント Part1 
一般社団法人日本エクステリア学会=編著
発行/建築資料研究社
2,200円(税別)

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事