日本エクステリア学会(吉田克己代表理事)は2月27日、第10回活動報告発表会を都内会場およびライブ配信で開催、7つの専門委員会が1年間の活動報告を行った。
同学会では本年度、技術委員会による書籍『現地調査から植栽工事まで 「エクステリア工事」現場管理の実践ポイント』(2024年3月発行)を建築資料研究社から発行した。開会の挨拶で吉田克己代表理事は「日本エクステリア学会は11年目に、報告会は今回で10回目となりました。この10年間の活動のなかで書籍を9冊出版することができました。これも会員の方の委員会における活動の成果であり、感謝しています。これからも、外部空間の環境づくりに真摯に取り組み、情報を配信していきたいと思います」と挨拶した。
*『現地調査から植栽工事まで 「エクステリア工事」現場管理の実践ポイント』の詳細内容
建築資料研究社出版部
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活動報告発表では同書籍の内容について、技術委員会の小林義幸氏が「エクステリア工事における0から始まって最後までを見通した中で、ポイントとなる重要な事項を3年間かけて委員会で検討し、まとめたものです」と述べた後、内容について紹介した。最後に「今回まとめた内容がすべてというわけではないので、これからも続けていきたい」と今後も継続して取り組んでいくことを語った。
また、調査部からは一般の消費者を対象とした「エクステリアのリフォーム調査」について、蒲田哲郎氏が報告した。同調査は2023年11月にインターネットを通じて戸建住宅を対象に実施されたもので、調査対象4224件、このうち10年間にリフォームを行った1142件の回答を得た。工事内容、費用、依頼業者など様々な項目についての調査結果が報告されたが、特徴的だったのは、エクステリアリフォームは築2年以内のリフォームが、エクステリア以外のリフォームに比べて多かった。これは、新築時にできなかった工事(カーポートの屋根など)を補っているためであると分析している。
このほか、歴史委員会が「『エクステリア』が本の表紙に現れはじめた時代」をテーマにした活動内容を、関西品質向上委員会からは昨年3月に発売した『おさえておきたエクステリア工事の不具合事例と対策 アルミ関連製品・照明機器』の公演会実施報告をそれぞれ報告した。設計向上委員会、街並み委員会、植栽委員会、国際委員会もそれぞれ活動内容と今後の方針について報告を行った。
エクステリアに関する学術・技術の進捗発展を図ることを目的に設立された日本エクステリア学会では、会員はいずれかの委員会に参加してエクステリアに関する調査・研究を行い、毎年2月に活動報告発表会を開催している。