名庭園、名庭師を楽しむ “ランドスケープ”のまなざし『昭和の名庭園を歩く2 ~作庭のおもいとかたちを紐解く~』

朝倉彫塑館や砧公園など東京近郊の公園や庭園を、ランドスケープアーキテクトである著者が自らの視点で紐解いた『昭和の名庭園を歩く』。この好評を受け、第二弾として発刊されたのが本書である。

国際文化会館庭園、等々力渓谷日本庭園、東池袋中央公園など、近郊住民がお散歩感覚で足を運ぶことのできる「身近な場所」に加え、古峯神社庭園(岩城亘太郎)、土門拳記念館(勅使河原宏)、港北ニュータウン(上野泰・曽宇厚之)など関東近郊まで範囲が広がったラインアップとなっている。

全ての庭について敷地図面が掲載されているのはもちろん、高低差が重要となる図面は等高線入りとなっており、時には周辺図も別添されている。また著者が注目したディテール写真も多数掲載されている。

本書に登場するランドスケープのつくり手は、七代目小川治兵衛、飯田十基、荒木芳邦など。簡単には読み解かせてくれない“名庭師”たちの意図を、著者がどう紐解いていったのか。どのような資料や実際のディテールからそれを見いだしたのか。ランドスケープアーキテクトの思考プロセスを辿る“散歩”も、同時に楽しめそうだ。
【庭NIWA 247号掲載】

昭和の名庭園を歩く2 
戸田芳樹=著
発行/マルモ出版
定価/1,100円(税込)

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