古来、日本の庭園では石が多用されてきた。1000年以上前に著された作庭のバイブル『作庭記』の「石を立てん事、まづ大旨をこころうべき也」が、今でもよく引用されるほどである。また、庭園の骨格を決めるのは石材であることは言うまでもないだろう。本特集では、さまざまな産地・石質のものが産出される石材の中でも「庭石」として役割を果たす石材と、特徴的な庭石を使った庭園を紹介する。石材は15種の丁場を訪ね、その特性を明らかにし、また地質図に掲載した石材の分布を表すなど、庭石として用いられている石材の概要の把握も試みた。
定価2,970円(本体2,700円+税)
目次
美×技│vol.16
福武・小形イズムを再生する試み
FUKUTAKE TRES「時の庭」
総合プロデュース=福武美津子
設計プロデュース=武井誠+鍋島千恵/TNA(建築設計)
荻野景観設計(庭園設計)
特集
庭を形づくる素材
庭石 NIWAISHI MATERIALS FOR GARDEN
庭石を使う
万成石
万成の家
造園施工管理|造園武
生野石
THE六本木
造園設計・施工|大北美松園
甲州御影・甲州鞍馬
福泉寺 駐車場まわり
造園設計・施工|四季屋
雄勝の石
復興の石積
造園設計・施工|よっちゃんの庭工房
鳴子石
葛岡墓園/滝石組・石積
石積施工|よっちゃんの庭工房
丹波石・丹波鉄平石
丹波篠山の家/石積・景石
造園設計・施工|山一石材
庭石を知る
地質図から見た庭石分布図
地質学による庭石の分類
庭石と丁場
庵治石、万成石、真壁石、岡崎御影、蛭川みかげ石、
美濃石、木曽石、生野石、男鹿石、本小松石、
諏訪鉄平石、鳴子石、伊達冠石、みかほ石
丁場レポート
開かれた採石場
―「観光」とともに新しい「場」の役割を探る
カネホン採石場/大谷石
NIWA SPECIAL REPORT
どこまで進む?造園界のDX
interview
小宮昌人/JICベンチャー・グロース・インベストメンツ
report
小川総業
第一園芸
タカショー
アンドパッド
連載
磐座探訪│第18回
入内(にゅうない)の石神様(青森県青森市入内駒田)
写真・文=須田郡司/巨石ハンター
2100年の日本庭園へ│第3回
島根県での取り組み
(松江・出雲を中心に)
取材・文=イトウマサトシ/おにわさん
石造文化財の新たな視点
命石をめぐる│第9回
仏岩の石造宝篋印塔
(鎌倉時代後期/長野県長和町)
取材・文=吉田浩志/日本命石協会 代表理事
庭と園藝 社会とコモンズのデザイン論│第6回
学校の庭
文=三島由樹/フォルク
現場で役立つ 職人の知恵と技術│第40回
石積編30│福井の石垣│
緑色凝灰岩・笏谷石②
文=内田 均/東京農業大学グリーンアカデミー講師
庭道具考│第18回
求道の刃文
片手斧 500g/秀常鍛工場
文・写真=浦田浩志
未来を植える人びと
〜植木生産者を訪ねて〜│第25回
谷口輝樹/TAMARI
NIWA COLUMN
みどりの力│第37回
音楽とランドスケープデザインとの
組み合わせの可能性
文=林翔太郎/音楽家・Vegetable Record共同代表
時代の気分│VOL.37
安定を求めてAIと賢く暮らす?
文=小原直花/伊藤忠ファッションシステム
ifs未来研究所 上席研究員
NIWA REPORT
植木屋のアメリカンランドスケープ紀行-NY編-
取材・文=辰己耕造/GREEN SPACE
2027 横浜花博に向けて
文=井上花子/日本造園組合連合会 参与
秋田県・甘粛省友好提携40周年記念事業
庭園交流事業によって、庭文化を広める
文・写真=加藤 薫/秋田県造園協会会長、桂造園土木代表
NIWA NEWS
NIWA BOOK
NIWA CALENDAR
253号に協力いただいた方々
庭NIWA倶楽部
NIWA info
編集:neuf(澤田忍)
判型:A4変 判
頁数:120
定価:2,970円(本体2,700円+税)
発売日:2023/9/28
雑誌コード:0695308