土の中から自然界全体を健康にしていく理論と実践/高田宏臣著『土中環境 忘れられた共生のまなざし、蘇る古の技』

私は2011年の震災以降、これまで積み重ねてきた造園・土木実務を見直し、傷んだ自然環境の再生と、土地を傷めない環境造作、土木工法の実証と指導、普及に取り組んできました。
また、毎年とめどなく広域化する風水害の被災地や土砂災害地に足を運び、周辺環境から災害発生要因を調べてまいりました。
〈中略〉
「温故知新」という、不朽の言葉があります。時代が変わっても決して古びることのない言葉には必ず真理があり、人や社会が迷いに直面した時、それが確かな道しるべになることが往々にしてあります。
この本は、日本人が長い営みの中で培ってきたかつての自然認識や造作、土や水への認識とその基にあるものの理解への一助になればとの願いを込めて、書かせていただきました。

(「はじめに」より)

「土中環境」という言葉は、『庭NIWA』228号の特集「土中環境を考える」とういタイトルにはじまっているが、2011年の東日本大震災を契機として著者が実践してきた、土中の環境から自然界全体を健康にしていく視点と技術を再び見直す提案である。
造園家の職域には、土中の環境を整える作業が含まれている。そこでは地中を通る水の動き「通気浸透水脈」や海中の「湧水」など、水が重要な役割を果たしている。古来より存在する土木技術はいかにして環境を守ってきたのか、そしてその技術は現代を生きる我々にどのように生かされていくべきなのか、造園を生業とする著者が、その理論を説き、実践プロジェクトを紹介した渾身の一冊。

土中環境
忘れられた共生のまなざし、蘇る古の技

高田宏臣 著

●A5判224ページ●定価:本体2,500円+税

●建築資料研究社刊

目次などの詳細は建築資料研究社出版部のHPを参照

https://www.kskpub.com/book/b509625.html

〈トークライブを配信中〉
本書の発売を記念した特別企画、著者の高田宏臣さんと『庭NIWA』編集長の澤田忍さんによるトークライブ(7月1日ライブ配信)をYouTubeで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=QJ8vCgxYzhc&t=1102s

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