京都市が浸水対策と庭園文化の発信を目的として推進する「雨庭」。5月10日、この仕組みを伝える雨庭構造見本庭園が京都市役所前に完成した。雨庭は、地上に降った雨水が直接下水道に流れ込まないように、庭を介して一時的に水を貯め込み、徐々に地中に浸透させる仕組みを持つ植栽空間である。
今回完成した庭園は、京都造園建設業協会が創立50周年を記念して京都市に寄贈した。雨庭の仕組みを市民に広く伝えるために、その構造と役割を伝える看板を設置。雨水を浸透させるために砂利を敷き詰めた州浜に、チャート石と貴船石を据え、周囲を竹垣で囲んだ。京都の造園技術と浸水対策を掛け合わせた庭園は、グリーンインフラの新しい発信のかたちとして注目されている。
雨庭
雨庭構造見本庭園(京都市役所前)
所在地=京都市中京区寺町通御池上る上本能寺前町488