美術品としての日本庭園鑑賞ガイド『京都 和モダン庭園のひみつ』

時代を超越し、モダンな印象を与える、「美」に心を研ぎ澄まし作庭された庭。そうした京都の「和モダン庭園」33を紹介すると共に、名庭のツボを解説したのが本書。第一部では、無鄰菴、実相院、東福寺、金地院などの名庭を美しい写真ビジュアルで紹介。第二部では、日本庭園の鑑賞ガイドとして、「見立ての美」「余白の構成」「直線と曲線の妙」などの項目別に解説。和モダン庭園が生まれた理由として、植物と石という限られた素材、コンパクトな面積、建物と庭の関係の3点を挙げている。そして各時代の最も進歩的な考え方を持った人々によって、伝統に新しさを加味し、つくられてきたが故にモダンになったと分析する。

作庭家である著者らしく、つくり手側の視点に立ったデザイン要素の解説は、小難しくなく、すっと頭に入ってくる。そしてデザインだけでは完成せず、思考できる場として鑑賞者を受け入れてきたことが、今もモダンであり続ける理由との説に納得。
【庭NIWA 230号掲載】

京都 和モダン庭園のひみつ 
重森千青=著 中田昭=写真
発行/ウェッジ
1,600円(税別)

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