第9回活動報告発表会を開催/日本エクステリア学会
『おさえておきたいエクステリア工事の不具合事例と対策 アルミ関連製品・照明機器』の出版について説明する藤山宏氏

日本エクステリア学会(吉田克己代表理事)は2月16日、第9回活動報告発表会を都内で開催、7つの専門委員会が1年間の活動報告を行った。コロナ感染症防止対策を踏まえて、会場での参加者数を35人に制限、ZOOMによるライブ配信も同時に行い約30人が参加した。

同学会では本年度、植栽委員会による『エクステリア植栽の維持管理 緑のある暮らしを保つ知識・計画・方法』(2022年8月発行)と、関西品質向上委員会による『おさえておきたいエクステリア工事の不具合事例と対策 アルミ関連製品・照明機器』(2023年3月発行)の2冊の書籍を建築資料研究社から発行した。活動報告発表ではこの2冊の書籍の内容について、植栽委員会の大嶋陽子、関西品質向上委員会の藤山宏の両氏から発表があった。

大嶋氏は、植栽計画をする際に維持管理まで考えておくことが、「緑」と長く付き合っていく方法であることを述べ、その際に必要となる知識や技術、さらには、敷地条件やライフステージなどについてモデル計画をまとめた同書の内容を紹介した。

藤山氏は、エクステリアの視点からアルミ建材をまとめた一般の書籍はほとんどないので、アルミ建材を中心とした今回の書籍が業界にも、一般にも大いに役立ててもらいたいという目的と、同書で取り上げた97の不具合事例に対する対策と処置などが、クレームの減少とエクステリア業界の信頼性の向上につながって欲しいと述べた。

今回の発表会では、第2回「エクステリア実態・意識調査」について、調査部の蒲田哲郎氏が報告した。同調査は2022年の10月に実施されたもので、2017年の第1回調査との比較などを中心に発表が行われた。様々な項目についての実態が浮き彫りとなったが、特徴的であったのは宅配ボックスと電気自動車の充電設備がエクステリアに定着してきたことである。宅配ボックスは約1/4、電気自動車設備は1/8の住宅で設置していると回答があった。「今回の調査から、社会状況に応じた機能が充実しているエクステリア製品のニーズが高まっている」と分析していた。

このほか、街並み委員会、技術委員会、歴史委員会、国際委員会の活動報告と、来年度から新たに立ち上がる「エクステリア計画・設計検討委員会(仮称)」についての目的と活動内容が、石原昌明氏より発表された。

エクステリアに関する学術・技術の進捗発展を図ることを目的に設立された日本エクステリア学会では、会員はいずれかの委員会に参加してエクステリアに関する調査・研究を行い、毎年2月に活動報告発表会を開催している。前年はコロナ感染症拡大によって、オンライン開催となったが、今回は会場での対面開催を併せて実施した。

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