中島康裕氏(住友林業緑化)の「十日一水~せせらぎのある邸宅~」がグランプリに輝く/第9回JEGデザインコンテスト2022

大手住宅メーカーと外構部門のグループ企業8社が共同運営する住宅エクステリアガーデン研究会(JEG、増田哲也会長[三井ホーム])は11月21日、「第9回JEGデザインコンテスト2022 プレゼンテーション大会」を東京・新宿区の四谷区民ホールで開催した。6部門各3作品、全18作品のプレゼンテーションが行われ、グランプリには住友林業緑化の中島康裕氏による「十日一水~せせらぎのある邸宅~」が輝いた(写真)。

グランプリ作品は、主屋とアトリエからなる約300坪の敷地に計画され、主屋側は家庭菜園、芝庭など家族のための庭に、アトリエ前は日本の山の中の風景を反映した庭でそれぞれ構成されている。全体としては、隣家や電柱、電線が見えないように常緑樹を道路側境界に沿って配置している。タイトルの「十日一水(じゅうじついっすい)」とは、一つの川を描くのに、十日かけるという意味で、入念に作品を仕上げることであるが、この作品も同様に着工まで毎週6時間、2年以上の打合せを行い完成させた。そのこだわりは、石材の形状、RCの厚み、門扉や取っ手の形状、プレート1枚にまでおよんでいる。

グランプリ受賞について中島氏は「1mm、2mmについて毎週打合せを行っていた。その後の仕事にも大変役立っている」と述べた。また、同作品のもう一つの特徴は、庭を流れる「せせらぎ」であり、「このせせらぎで、蛍を子供たちに見せられるか」を現在打合せ中であることも語った。

グランプリ表彰式で喜びの言葉を述べる中島氏

 

応募965作品の中から6部門の各最優秀賞を決定

JEGデザインコンテストは、JEGを共同運営している8社(AJEX、ウィズガーデン、住友林業緑化、セキスイハイム、積水ハウス、大和ハウス工業、ナテックス、三井ホーム)から作品を募集、社内選考による1次審査、各社からの代表審査員2人計16人による2次審査を経て入賞作品を決定している。今回は965作品の応募の中から6部門で計18作品が入賞。入賞作品のプレゼンテーションを21日に行い、当日審査で各部門の最優秀賞とグランプリを決定した(村上真也審査委員長[ナテックス])。グランプリ作品の中島康裕氏の「十日一水~せせらぎのある邸宅~」は「庭・ガーデン部門」の最優秀賞であった。さらに、中島氏は「プレミアムエクステリア部門」でも最優秀賞を「静謐なる地中の楽園」で受賞している。

プレゼンテーション大会にはゲスト審査員としてグリーンクリエーターの小西範揚氏、建築家の彦根明氏、彦根アンドレア氏が招かれ、特別賞(小西賞、彦根賞)が設けられた。

同コンテストのプレゼンテーションの特徴は、計画や完成した作品の説明だけでなく、素材選びや施工状況などを交えて紹介していることである。審査講評で小西氏は「材料へのこだわりなど、裏方の姿、現場力を見せつけられた」、彦根明氏も「石を選ぶ、割り方にこだわるなど、本物を選ぶことにこだわっている」とそれぞれ、全体の印象を述べた。

「庭・ガーデン部門」「プレミアムエクステリア部門」以外の各部門の最優秀作品と特別賞、新人賞は以下の通り(敬称略)。

●ハイクラスエクステリア部門最優秀賞:「Reborn/月明かりに憩ふ」片岡達哉(積水ハウス)

●スタンダードエクステリア部門最優秀賞:「都会のオアシス・邸宅を森で包む」永井友佳子(東京セキスイファイエス)

●リフォーム部門最優秀賞:「整える」永井友佳子(東京セキスイファイエス)

●街並み・集合住宅部門最優秀賞、特別賞(小西賞):「ボタニカルハウス」齋藤英(積水ハウス)

●特別賞(彦根賞):「水盤と緑で醸す回廊の家」高島寛之、尾崎孝也(積水ハウス)

●新人賞:「街とつながるオープンエクステリア」野澤昴平、藤澤晴輝(住友林業緑化)

JEGおよびJEGデザインコンテスト2022に関する詳細は以下のサイト参照

http://jeg-design.com/index.html

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