建築家はいかに大地と対話したのか『ランドスケープとつながる建築作法』歴史の中の庭を歩く

 Landscape+Architectureを意味する「L+A」。建築は単体で存在するのではなく、常に大きな環境の中にあり、一つの風景として人々の記憶に残る。本書は、建築とランドスケープ両方の知識と技術を持つ3人の共著によるものであり、国内外の20世紀建築をもとにその関係性を読み解いた一冊である。

 モダニズムからポストモダニズム以降の建築までを取り上げ、「点睛を打つ」「「地勢を摑む」「軸で繋がる」「緑を纏う」など、8つの手法を切り口に紹介している。例えば「軸で繋がる」の章では、大陸と海洋の距離を繋ぐ軸を持つ「ソーク研究所」(アメリカ)、丹下健三が提案した平和の軸線「広島平和記念資料館」(日本)、古典的な都市の軸を受け正対する自由な空間「バルセロナ・パビリオン」(スペイン)などを検証。同じ手法から国内外の名建築を横断的に読み解くことで、建築家がいかに風景や大地と対話してきたのかが分かりやすく浮かび上がる。

 さらに本書では、L+Aの関係の魅力を伝えるために図面を新たに描き起こしている。建築とランドスケープの関係が読み取りやすい適切なスケールの平面図や断面図に加え、開口部(窓)を両者をつなぐ生命線として示した「L+A開口断面図」も収録。これから出会う建築を、風景との関係から読み解くための新たな視点を与えてくれる。

 コンパクトな一冊に凝縮された図面をじっくりと眺めながら、L+Aの関係性をひもとく著者・制作チームの思考に触れたくなる。

【庭NIWA 264号掲載】

ランドスケープとつながる建築作法
L+A研究会=編集
三谷 徹、鈴木 弘樹、大野暁彦=著
発行/彰国社
定価/2,860円(税込)

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