深大寺の一軒家改修
観察と試み~深大寺の一軒家改修/設計:オンデザインパートナーズ

日本デザイン振興会(東京都港区、川上元美会長)は10月9日、2019年度グッドデザイン賞「グッドデザイン・ベスト100」のプレゼンテーション公開審査を行った(柴田文江審査委員長)。会場は東京・赤坂の東京ミッドタウン・カンファレンス。受賞企業による4分のプレゼンテーションの後、審査員との質疑応答(2分)が行われた。グッドデザイン・ベスト100は、グッドデザイン大賞、同金賞、グッドフォーカス賞の候補であり、大賞以外の賞は、この審査後に特別賞選考会で決定する。審査結果は10月31日に発表される。

「見守り合いによる開かれたセキュリティ」を実現する家と庭の改修

今回の「グッドデザイン・ベスト100」において、戸建住宅の庭・エクステリアのデザインとして注目したいのは「観察と試み~深大寺の一軒家改修」。1級建築士事務所のオンデザインパートナーズ(横浜市中区、西田司代表)によるこの計画は築60年の戸建住宅の改修であり、施主は60歳代のひとり暮らしであった。施主の希望により、これまで塀や壁で閉じて守るセキュリティだったものを、生活の一部を外部化し、近所の人びとと見守り合うことによる「開くセキュリティ」へと変更することがポイントになった。そのデザイン方法として用いたのは「観察」であるという。時間の積み重ねによる生活の跡を敷地全体くまなく観察して、この住宅と庭での暮らしを従来の環境よりも引き上げるとともに、生活を外部へ拡張していくように計画した。

具体的には、住宅を囲んでいた塀や壁は花壇や縁側に変更、既存住宅は減築して耐震補強等を行い、道路に面してガラス張りのリビングルームを設けている。また、庭の既存樹木を囲むように大きなデッキテラスを配置した。こうした敷地内の「パブリックスペース」は、通りがかる友人や知人を迎えての会話のキッカケを増やすなど、近所の人びととのコミュニケーションを豊かにし、地域住民同士の見守り合うセキュリティーが育くまれていく場所としてデザインされている。

グッドデザイン・ベスト100への選出においては「ライフスタイルとともにあるようなセキュリティを具現化」していること、開かれていることで守られるという取り組みは「確実にひとり暮らしの生活を拡張している。境界のデザインが生活や街並みを変えていくことを示す好例」として評価された。

プレゼンテーション公開審査における質疑応答では、審査員から「こうした手法を一般化していくことについて」への意見を求められたが、プレゼンテーションを行ったオンデザインパートナーズの神永侑子氏は、「今回、設計の手法として試みた『観察』は応用できるはず」と述べた。施主の希望をかなえるために、これまでの生活と敷地を丹念に読み解くことの重要性を改めて強調した。

オンデザインパートナーズの「観察と試み~深大寺の一軒家改修」の詳細は、以下を参照(グッドデザイン・ベスト100より)。

https://www.g-mark.org/award/describe/49319

 

 

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