「文化財石垣補修・補強技術協会」を設立/石垣の歴史的・文化的価値保全を目的に14 社2 校が7月2日に設立総会開催

城郭石垣および伝統的建造物群石垣の維持・保全を図るための対策工法を構築し、広く全国へ普及させることを目的とした「文化財石垣補修・補強技術協会」が会員 14 社・2 校により設立され、7 月 2 日に設立総会を開催した(発起人代表:橋本隆雄国士舘大学教授)。

地震や豪雨による近年の主な石垣の被害としては、2011年東日本大震災において小峰城(福島県白河市)で石垣の10カ所約7,000個が崩落、2016年熊本地震では熊本城の石垣の約8割が崩壊した。また、2018年7月の西日本豪雨、同年10月の台風24号により、香川県の丸亀城ではこれまでの修復箇所も孕みだし3度目の崩落が発生している。さらに、これまで被害の無かった文化的遺産である他の石垣においても、今後発生する地震、豪雨による崩落が懸念されている。一方、修復に用いられている解体から積み直しという工法では、「膨大な時間とコストを要し、結果的に歴史的文化的遺産の損失へとつながる可能性がある」「これらの補強工法は実績がなく、未だ土木・地盤工学分野の視点での対策技術が確立されていない」と同協会は指摘している。

こうした状況をうけて同協会では、会員のアキレス(東京都新宿区、伊藤守社長)が保有するトンネル補修などにおいて発泡ウレタンによる維持・補修技術と、それらを生かして、極力現状維持し、美観を損なわず耐震性を向上させる対策工法の構築に会員各社と共同で取り組んでいく考えだ。この技術を含め今後さまざまな対策工法の確立を目指し、広くそれらの技術を全国へと普及させる活動を行う。

会員の15社2校は次の通り。事務局は岡部社内に設ける(TEL 03-3624-6201)。

アサヒエンジニアリング、中村建設、アートコーポレーション、エバーストラクション、大阪防水建設社、青江造園土木、アミック、メインマークアクアテック、ジオフィール、日測、日鉄建材、アキレス、前田工繊、フリー工業、岡部、国士舘大学、金沢大学

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