• 庭の未来へ 

タブノキ、スダジイ、シラカシなどの常緑広葉樹が生い茂る環境保全林のつくり方を解説したのが本書。
環境保全林とは、工場や発電所の周辺に見られる樹林のことで、工場緑化の一手法として、横浜国立大学名誉教授の宮脇昭氏が提唱したものだ。「ふるさとの森」や「いのちの森」と呼ばれることもある。

その土地の潜在自然植生の高木優先樹種のポット苗を密生させて植樹することで、短期間で森を形成することが特徴。

本書では、環境保全林を防火、防塵、防音を目的としたものと定義し、環境保全林の最終目標は、潜在自然植生が具現化した「鎮守の森」であるとしている。

しかし、植林から40年以上が経った環境保全林でも、外見は広葉照葉樹の森だが、多品種の混成した森にはなっていない。また、森の低中間層には葉が茂りにくく、林内が見通せる状態だという。これを解決する手法として、間伐、補植、落葉の除去を提案している。また、環境保全林の土壌生物の調査では、周囲の環境によって、自然度の高い森林ができることが分かった。

現代に合った、環境を守る森をつくる植樹に有効な活用法が書かれている。

環境を守る森をつくる
原田 洋・矢ケ崎朋樹=著
海青社
1,600円(税別)